よだれで
むせて目が覚めた。
まだ帰り道。
JRに揺られっぱなし。
おじさんと
おじいさんとが
相席しまくっている車内は、
いろんなスメルに包まれている。
そういうぼくも相席で、
しかも相席の先輩に気後れしながら
かれこれ2時間過ごしている。
先輩は
ゆうゆうと缶ビールを飲み
そのぶんトイレに立つ頻度が増えた。
先輩は
窓側席なので、通路側席のぼくの前を
申しわけなさそうに通る。
先輩は
どうやら、ゲップをされたようで、
先輩ごしのビアスメルが
ぼくの鼻腔をついた。
一番絞りの一番絞りを
おすそ分けしてくれたのだろうか。
すべてが
どーでもよく思えた。
やれやれと、顔を上げる。
目に入ったのは、
自由席と示すプレート。
自由について
わからなくなった気がした
何の夜だこれ。
どうだろ
この夜を
君が名付けてくれないかな。
救われる気がするんだ。
いけない!
時間つぶしに入った
喫茶店の小1時間のことを
メモするつもりだったのに。
それはまた今度。
ネコが4匹いたんだ。
やれやれ、
どこらからか
そこはかとなく
ジンギスカンのスメルがしてきた。
この4号車。
スメル自由席だ。
しかし、
車内のワゴン販売なし。
まだ帰り道は続く。
0 件のコメント:
コメントを投稿