2014年8月31日日曜日

これからこれから。


そうだ
八月には最後の夜が
あとひとつだけ夜がある。

そういう歌があったね。
この時期、いつも口ずさむよ。


「帽子がよくお似合いですね」

初老の男性が
僕に言葉をかけてきたのは
木曜の夜だったっけ。

照れくさかったけど
光栄ですと言った。

次の日には
失恋をした友だちと
遠い国から帰ってきた友だちで
いちばん近くの海へ
行くことになった。

あんまり
降りたことのない駅から
すぐ近くにある
あんまり
きれいではない海だ。

その日は
朝から夏に似ていた。

私の夏は今日で終わりね。
彼女がそう言った。

ぼくもそれがいいと思った。
これから
新しい季節が始まるんだ。

海は
とてもおだやかだった。

八月に
あとひとつ
最後の夜があるならば
何をしようか。

ボートにでも乗ろうか。
食事に出かけようか。
部屋を片付けようか。

いや、
何もしないかもしれないね。

サンキュー。八月。

ぼくは
夏が終わった気が
まだ完全にしないのだけれど
明日から9月です。
それだけは
ハッキリと言えるよ。

よろしく。






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