2013年10月28日月曜日

野球場を観ると想い出す。



やんわりと
後悔するくらい
ぼんやりと
一週間のスタートを
過ごしています。

むかしよく
仕事もせずに
近所の公園をぶらついてたころ
野球の試合を観たものでした。

誰も知らない
人たちがプレイする
どちらのチームを
応援するわけでもない試合です。

ワンカップを手にして
激烈に試合を読み取り
自転車から降りずに
ネットに寄りかかっている
おじさんがちらほらいる。
日常のエアーポケットのような
何も起きない時間がそこにありました。

ぼくは缶ビールを飲んで
退屈とつきあう修行のように
試合の行方とその空や
周りの人たちを観察していました。

9回裏。
ベンチの歓声。
ピッチャーが投げた球は
バットが空を切る音の直後
パスっとキャッチャーミットへ。

試合に勝ったチームの人は
思い思いに手を大きく挙げ
ベンチからマウンドへ繰り出したり
試合に負けたチームの人は
うなだれたり帽子を叩きつけたり。

ひとつの結果と
ふたつの事実が
あまりにも同時で一瞬。
目の前で繰り広げられたわけです。

それは
ただぼんやり観戦していた
ぼくにとって
どちらにも関係がないことを
はっきりと
意識させられた瞬間でもありました。

勝ってもいない。
負けてもいない。
うれしくもなく
悔しくもない。

缶ビールは、
すっかりぬるくなり
誰かに会いたくなりながら
公園を遠回りして家に帰りました。

そうしてぼくの
ある1日は
やっぱり何も起きずに
暮れていきました。

とても暑い日でした。

そんな
どうでもいいことを
時々だけど、
今でも想い出します。

うっとりとするわけでもなく
感傷的になるわけでもなく
ただ想い出しては、
そんなことがあったなあと思う、
ずうっと前の記憶のひとつ。

まだまだ
君に会える前の
夏の出来事です。


さて。
今日こそ
ストーブを出そうか。

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